これは下記のHPから引用させていただいた。
ボーイスカウトと書いているが、読んでみるとカブスカウトの夏期キャンプを体験されたようだ。
文中太字は原文にはありませんでした。


ヘッドハンター日記 2003年8月19日 火曜日


『備えよ、常に − ボーイスカウトの教え』


 3泊4日のキャンプに行ってきた。小学生の息子がボーイスカウトに入っているために、その付き添いで参加したのだ。正直あまり乗り気でなかった。なぜかって? 僕は制服を着ている人が苦手だからだ。 勝手かもしれないが、女性の制服は問題ない。むしろ好きなくらいだ。(笑) ちょっと問題発言かもしれないが、まあ日記だから許してほしい。(笑)
 
 警察官や軍隊の人が苦手なだけではなく、銀行などにいる民間の警備会社が派遣している警備員のおじさん(おじいさん?)すら、あまり得意でない。理由は簡単だ。制服を見ると、権力や束縛をイメージしてしまうからである。 実際、制服を着せることは、自制心を促す目的があると何かの本に書いてあったし (ちょっといい加減な記憶で申し訳ないが)、実際、制服を着ている人も、 制服を着ているときは、タバコのポイ捨てもできない事があるといっていた。

 ボーイスカウトの子供たちの制服にはあまり抵抗を感じない。成長過程にある子供たちが着る制服には、規律の大切さは感じるが、権力をイメージすることがないからだろう。実際、僕がなぜ息子がボーイスカウトに入ることをサポートしたかというと、『規律』を体感してほしいと思ったからである。
 僕は中学、高校時代に学生寮に入っていた。寮生活は厳しかった。起床時間や朝礼はあるは、いろいろな名目で強制的にいろいろな当番があった。勉強時間も決められていたし、外出にも制限があった。漫画の持ち込みも禁止。所持していることがばれたら、強制的に丸坊主にされた。『規律』というほどの立派なものではなく、単に納得のいかない『規則』だらけの学生寮であった。しかし、僕はこの決して楽しくなかった学生寮生活が、自分の独立心、自立心を高めることに後につながったと、今では確信している。反発心を自覚することも、青春時代には大切だったのかもしれない。

 一方、ボーイスカウトの世界は少し違うようだった。今回キャンプに参加してみて自分の認識が違っていることに気がついた。善意で参加している大人のボーイスカウトの指導者たち、そして小学校の頃から活動を続けているという、今では大学生になったボーイスカウトたち。こうしたボーイスカウトの指導者、先輩、OBなどが、少子化や私立受験ブームなどの影響で少なくなったボースカウトの育成に力を注いでいた。『規律』の押し売りをしているわけでもない。納得のいかない『規則』の強制もしていない。なぜ僕はそう思ったか。それは大人のボーイスカウトの指導者たちが、豊かな時代の子供たちの現状を理解し受け入れながら、基本的な『規律』を教えている現場を見たからだ。つまり、挨拶すること、整理整頓すること、時間を守ること、先輩を敬うこと、人に感謝すること、自分のことは自分でやること、そして人生を楽しむことなどを教える現場がそこにはあった。指導者たちから、自分のエゴを押し通そうという意図を感じることはなかった。もっと単純な世界がそこにはあった。

 キャンプの後半、僕はとても楽しんでいた。不思議な気持ちがした。もともと、僕はボーイスカウトからは最も程遠い存在だと自分では思っていた。 自分は規律が嫌いだし、束縛は嫌だ。 昔の束縛された寮生活の反動が今でも残っている。ただし、ボーイスカウトは、結構気に入った。『備えよ、常に』という標語は、ボーイスカウト活動のモットーである。僕は規律や束縛は嫌いだが、『備えよ、常に』の精神には大賛成である。

 息子はボーイスカウトの指導者から結構怒られていたし、本人は少しへこんでいたように見える瞬間もあった。父親としては心が痛んだ瞬間もあった。ただし、帰り道で、「キャンプ楽しかった?」と息子に聞くと、即座にこう答えたのだ。「うん、楽しい。来年もキャンプ行くよ。いいでしょう?」 驚いた僕は続けて聞いた。「あまり友達いないんじゃない?」 少し心配だった。そんな僕に、まだ小学校に上がったばかりの息子が言うのだ。「うん、今は友達はいないけど、もう少し待って。もうすぐみんなとも友達になるから。」 なんだか、感動した。息子はキャンプで成長したのだ。

 今回のボーイスカウトのキャンプは、僕たち親子にいろいろなことを勉強させてくれた。ところで僕は制服恐怖症を克服しただろうか?いや、それだけはダメだと思う。まして自分が制服を着ることは世の中がひっくり返っても無理だろう。本当は僕は制服がとっても似合うのだが、どうも気恥ずかしくて苦手である。制服はやっぱり女の子だけ、としたい。(笑)



今週の著者紹介 

 小松俊明氏     
    外資系ヘッドハンター  講師・パネリスト・コメンテーター

                                                   
                                        

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